ご挨拶
世界自然遺産の島に存する学校として
校長 椎橋 秀行
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小笠原中学校は、東京竹芝桟橋から約1000km(平成28年7月に就航した3代目おがさわら丸で約24時間/繁忙期を除き6日に1便)離れた父島にあります。小笠原諸島は2011年6月に世界自然遺産に登録されました。おがさわら丸の乗船客数も世界自然遺産登録後はそれ以前と比較すると約1.7倍に増加し、一躍観光スポットとして脚光を浴びることになりました。
小笠原は一度も大陸と陸続きになっていない「海洋島」です。世界遺産委員会の審議では、小さい島でありながら、小笠原でしか見ることのできない固有種の割合が高いこと、特に陸産貝類(カタツムリの仲間)や植物において、進化の過程がわかる貴重な証拠が残されていることが高く評価されています。
世界自然遺産としての価値を守っていくことは容易なことではありません。すでに入り込んでいる外来種をコントロールしたり、移動を防いだりしなければなりませんし、過度な利用を避ける必要もあります。観光等の利用にあたっては、希少な動植物の保護・保全のために様々なルールも設定されています。
将来にわたって世界自然遺産としての価値を守っていくために、本校では小笠原の自然や文化、将来の課題について理解を深める教育活動を総合的な学習の時間を中心に展開しています。世界自然遺産登録を機に、日本のみならず、世界から注目されていきますので、国際理解教育にも一層力を入れているところです。
今の中学生たちが今後どのような小笠原にしていくのか。
持続可能な社会を目指し、グローバルな視点で物事を考え、行動できる人になって欲しいという願いを全教職員で共有し、生徒たちのより良き成長を促していくことが、私たちの大きな使命であると考えています。