11月13日(水) 1年生道徳「さかなのなみだ」
1年生の道徳授業では、「さかなのなみだ」という魚類学者、タレント、イラストレーター、東京海洋大学客員教授であるさかなクンの著書を通して、いじめのない集団について考えました。自分が中学生のときに、友人や先輩が無視される状況を目の当たりにした筆者・さかなクンは、さかなの世界にも同じようにいじめがあると綴っています。例えば、メジナは狭い水槽に入れると、必ず1匹を仲間外れにして攻撃してしまうそうです。広い海ではこんなことは起きません。これは、学級や学校といった狭い人間関係の中で起きてしまういじめや差別の本質を表しています。狭さは、空間的なものだけでなく、価値観や個性の自由さえも見えなくしてしまいます。また、仲間はずれにされた子と一緒につりをするなど、その子を孤立させないことや、好きなことに夢中になるといやなことを忘れられることを語っています。
「広い空の下、広い海へ出てみましょう」というさかなクンの言葉からは、狭い人間関係や自分の間違った価値観にとらわれず、もっと広い世界や考え方に目を向けてみよう思いが感じられました。
授業では「なぜ小さな集団でいじめが起きるのか。」「いじめが起こらない集団をつくるために大切なことは何か」をたくさん話し合いました。授業の最後には、一枚の紙が生徒に配られ、それを丸めて元に戻すことをしました。
「今のその紙がいじめられた子の心だよ―――。」
教師から声がかかったとき、教室の空気が一変しました。
「いじめによって、心は簡単にぐしゃぐしゃになってしまう。丸めた紙が元に戻らなかったように、いじめを受けた人の心も完全に戻すことは難しいね。」
今日の道徳で考えたことや感じたことを、一人一人がこれからも大切にしてほしいと思います。